実践してみたい!というワクワク
ー今回のセッションではどのような気づき・発見がありましたか。
ハルさん:
序盤は、幼稚園のプレゼント交換も、小学生の時のプレゼント交換も、本当に傷として残ってたんだなと発見(実感)しました。また、〈1:自分〉と〈2:相手〉の視点で捉えるのが得意であることも。そして“あのとき、私かまってほしかったんだな~(笑)”ということが分かりました。
ー今回のセッションを通しての変化はなんでしたか。
ハルさん:
〈1:自分〉の視点で思い出すと、涙が出るような出来事も〈3:客観〉の視点で見ると面白くな
ーこの体験を通して、どのような新しい自分自身を発見されましたか。
ハルさん:
〈1:自分〉の視点、〈2:相手〉の視点が強いこと。そして〈2:相手〉の視点が強すぎて…本当に相手が思っているのかどうかわからな
ー今振り返ってみた時、今回のセッションの〈本当のテーマ〉はなんでしたか?
ハルさん:
客観的に、俯瞰して、ジャッジなしに見る観点がこれまでなかったことで、視
ーこの体験を通して、これから行動に移してみることは何かありますか。
ハルさん:
〈3:客観〉の視点を常に意識してみることですね!
ー今回を通してその他に感じたことや気づいたことはありますか?
ハルさん:
過去を書き換えるやり方として〈出来事を捉える/見る視点を変える〉という新しい方法を知れて、実践していこうというワクワクしています。またサクサクっと進み、すっきりしました!

〈Essence of Life〉
過去は整理して、上書き保存
過去を思い出した時に、その時の感覚や感情を鮮明に思い出せる、もしくは話しているうちにその時と同じ感情が浮かんでくるときそれは過去を、今も〈1:自分〉の視点で見ているというサインです。
過去を思い出した時に「あれは良くないよね」「かわいそう」などの判断やいい/悪い、気持ちについての言及がある時、それは「その相手がどのように出来事を見ているか?捉えているか?」という〈2:相手〉の視点に立って発言しているサイン。
過去について「こんなことあったな〜。」というように1つのシーンやただのストーリーのようにただ眺めているだけのように思い出される時、それは〈3:客観〉の視点で捉えているということです。〈3:客観〉の視点で眺めていた出来事は、記憶に残りづらいことが多いようです。
逆に、今でも思い出してしまう感情的、感覚的な出来事というのは、〈1:自分〉の視点で体験し、そのまま保存しています。特に幼い頃のことほど強く記憶に残っていたりします。それは幼ければ幼いほど〈1:自分〉視点にいる時間が長いからではないかと考えられます。
成長と共に私たちは相手の気持ち、全体の状況を理解する術を学び身につけていきますよね。そのため幼い頃に衝撃的だった出来事も、感情的に捉えていた出来事も、大人になって、異なる視点から見ることを意図して振り返ってみると「そういうことあるよな」とか「そういう人、いるな〜」「あぁ、こういう状況だったからなのかな」など他の角度から捉えることを可能にし、出来事の意味を変えることができます。
面白いことに、過去を振り返るとき、私たちは大体その時に体験した時の視点に無意識に、自然と、戻ります。今現在〈3:客観〉視点が得意な人だとしても、その人にとって今でも感情的・印象的な出来事について思い出すときは、す〜っと〈1:自分〉または〈2:相手〉の視点に入り込んでいくのです。
だから改めて、しっかりと捉え直すと意図する必要があるんですね。ぼわぼわ〜と思い出して流すのではなく、〈3:客観〉俯瞰の視点で捉え直して「こういうことだったんだな」と言語化し直すこと。そしてこれからの自分にはどのような意味づけが有効か?を改めて選択することがポイントです。
どの状況で、どの視点を採用する?
〈3:客観〉視点を効果的に活用することは、過去の出来事についてだけではありません。現在の出来事にも応用することが可能です。
例えば「つまらないな〜」「これはちょっとしんどいな〜」そう感じる出来事や時間に遭遇してしまった時には、淡々と、作業的に、傍観者になったつもりで過ごすというやり方です。
私たちは、意識を向けたことについての情報を集めるのが得意です。つまり「つまらない」「しんどい」という〈1:自分〉視点の自分の感情・感覚・考えに意識を向ければ向けるほどそれが増大していきます。もしもその環境を変えられない場合であれば、自分で自分を苦しめるだけです。そんな時は、ふっと〈3:客観〉&俯瞰視点に切り替えて全体から見てみると新しい発見があるかもしれません。
逆に、楽しい、うれしい経験については〈1:自分〉視点にどっぷり入って味わい、その感覚を感じ切ることで、そのポジティブな感覚が広がりやすくなります。この感覚こそが「またあの感覚を味わいたい!」という私たちの動く原動力になっていくのです。
どの状況で、どの視点を採用するか?その選択は私たちにあります。そのマッチングがうまくいかないと、トラブルや悩みが発生します。状況と視点のマッチングに熟練していくと、問題や課題が起きても、より柔軟に迅速に対処していくことができるようになっていきます。
- 今自分はどの視点から出来事を捉えているかな?
- 他の視点から見たら、どう別の捉え方ができるかな?
この2つの質問を使って、自由に視点を移動させて状況をいかに多角的に捉えるか?という視点切り換え技術は一生使える大切なスキルです。

〈TIPS〉
過去を活用する方法まとめ
ネガティブに感じる出来事は
- 〈3:客観〉視点で見直して
- 言語化し
- 出来事の意味づけをアップデートする
ポジティブに感じられる出来事は
- 〈1:自分〉視点にどっぷり入って
- 感覚・感情を感じ
- 何を思い、何を考えるかを言語化する
それぞれの対処法は過去・現在・未来、どの出来事にも使えます。
この記憶の仕組みや、視点の概念を知ってから、私自身1つ1つ記憶の整理をして来ました。引っ掛かりが残っていること、暗い影を落としているように感じる体験、何度も思い出しては「あ…」と気持ちが沈む出来事。そんな記憶がひょこっと顔を出して来たときには、時間を作ってこの視点切り換えと、意味づけのアップデートをしています。
時間を取って取り組むことを繰り返していくうちにそれが習慣となり、今では過去の気になる出来事が思い出されても、思い出すと同時に客観視して、言語化し、アップデートするようになっています。そうやって自分で作っていた過去のしがらみを徐々に、徐々に取り去って行くことでどんどん心が軽くなっていきました。
過去の心の荷物は、一つ一つ降ろしていきたいですね!
(おわり)
▼目次
前編:過去のささくれ
後編:過去を整理して、上書き保存
▼コラム〈Session Window〉