「どうしたら気づきをすらすらと言葉にすることができますか?」セッションをやっていると、言語化についての質問をよくいただきます。
パーソナルセッションやワークショップの最後には必ず、その機会を通して「気づいたことや学び」を言葉にする時間を設けています。その理由は「これまで無意識/無自覚だったこと」を意識化して新たな能力へと転換していくのに言語化することは学習効率がよく、効果が高いからです。
ただ気づきの言語化に慣れていないと「言葉にするのが難しい。」「時間がかかってしまう。」という声をよくいただきます。先日もパーソナルセッションをスタートしたばかりの方から「感じていることはあるのに、言葉にするのが難しくて…」ぽろっと口にしてくださった方がいらっしゃいました。「自分の気づきや考えをすらすらと言葉にすることができたら…どんなにいいだろう」そう思ったことはありませんか?
今回は〈気づきの言語化力〉を高める方法とそのポイントについて。またこのサイトでクライアントの皆さんのセッションごとの気づきや学びを「VOICE」としてご紹介しているのですが「他の方のVOICEを見るべき理由」と、気づきを深める方法もご紹介します。
目次
Toggle言語化が難しいと感じる理由
気づきの言語化が難しいと感じるのは2パターンあります。
- 自分自身が「何を、どのように感じているのか」分からない場合。
- 感じていることはあるけれどそれを「うまく言葉にできない」と思っている場合。
1つ目の原因は「言語化」の部分ではなく「感覚の鋭敏性が鈍っている」ことです。そのため、やるべきことは「感覚の鋭敏性を高めるトレーニング」に取り組むこと。感覚の鋭敏性を高めてから、初めてその掴んだ感覚を言語化するステップに移行します。(「感覚の鋭敏性」の高め方については別記事で書こうと思います。)
2つ目の原因は「気づきを言語化する経験が少ない」ことです。これは自分の気持ち、感覚、考えを言語化する経験が少ないだけ。そのため適切な行動を通して、その経験値を増やしていくことでカンタンに言語化力を高めていくことができます。「うまく言葉にできない」場合の言語化力はトレーニングで高めていくことができます。
ちなみに「ビジネスにおける言語化力」と「気づきを表現する言語化力」は異なります。
- 両方の経験値が高い
- 片方は経験値があるけど、もう片方は低い
- 言語化自体(両方)の経験値が低い
それぞれその人の状況がありますが今回に関しては「気づきの言語化」に特化してお話ししていきますね。
人の気づきは、自分の気づきを深め成長を加速させてくれる
このサイトでも定期的にセッションでのクライアントのみなさんの気づきや学びをVOICEとしてご紹介しています。
なぜなら人の気づきや感想、学びを知ることは、そのまま自分自身の気づきや成長にもつながるからなんです。
- へぇ〜!こんなことも”気づき”と思っていいんだ!
- こんな学びをする人がいるんだ。
- 些細なことと思っていたけど、これも感想になるんだ!
そういうサンプルを多く知れば知るほど、これまではスルーしていた「あ!」とか「へぇ」「?」「!」といったことも「これも気づきなんだ」「これも言語化できるんだ」と気づきを言語化する幅が広がります。またこれまでうまく表現できなかった自身の気持ちや感覚も「分かる!こういう感覚。」と共感することで表現方法の選択肢を増やすことができます。
最初はみんな「何を書いていいか分からない」
私が自分の心の声をもっとよく聞いて、それを人生に活かしたいと思って始めたのがまさに「気づきの言語化」でした。いろいろ思うことはある、考えてしまうこともある、感じることもあるけれど、それをうまく表現できない。表現できないから自分のその視点を基軸に、物事をうまく考えていくことができない。そんな状況でした。そこで始めたのがジャーナリングや手帳です。ただ…まずつまづいたのが「何を書いていいか分からない。」という部分でした。
それから数年後に仕事でセミナーやトレーニングの運営に携わり、参加される多くの方々の「気づき」「学び」「感想」を浴びるほど目にし、聞き、読む日々が始まりました。そこで分かったのがたくさんの人の「気づき」を聞くと自分の気づきも深くなるし、表現方法の選択肢が増えるということでした。その結果「こんなことを言葉にしていいんだ」「こんなこと思っていいんだ」「こんなこともあるんだ」と自分を許す/許可する範囲を劇的に広げることができるようになりました。
つまり自分の中に、たくさんの人の人生の気づきをインプットすればするほど、自分の気づきの幅も広がり、思考も深くなっていくことが分かったのです。他の方々の人生におけるリアルな気づきを知ること、触れることがものすごく質の高いインプットになっていたのです。今では私自身、自分の気づきや発見を言葉で伝えることが楽しいし、それを言語化できることで他の人と体験をシェアできることが私自身の人生の彩りに繋がっているなぁと実感しています。
気づきの言語化力を高めたい人へ
すでに言語化は得意!と思っている方でも、自分とは違う気づきを得ている人の「視点」を知ることで、物事の視野が広がるものです。他の方の気づきをインプットすること。自分の気づきを言葉にする行動を積み上げていくこと。それ自体が言語化の練習になって行きます。
STEP1:他の人の気づきや学びをインプットする(週1)
STEP2:1日の振り返りを言葉にする(5分/日でOK!)
STEP3:継続する(1日5分×最低1ヶ月)
毎セッションごとに、クライアントの方々が人生に持ち帰られるものは千差万別。私も毎回、お一人お一人のVOICE(気づきや学びを記録するリフレクションフォームをご用意しています)を読むのが本当に楽しみです。セッションでたくさんのことを一緒に話していても「あそこが、今日のハイライトだったのか!」とか「あの会話から、こんな気づきがさらに生まれていたんだ…」など、その人の中に生まれた気づきは外からいくら話を聞いても、すべて分かることはあり得ません。その人の中でしか分からないことの方がほとんどです。だからこそクライアントのみなさんのリアルボイスはとても貴重で、大切なものだなぁと思いながら拝読し、掲載しています。
*なおVOICEはニュースレターでもお知らせしています。下部の〈NEWS LETTER〉にご登録いただくと毎週日曜に届きます。誰かの気づきを読み「自分はどうかな?」と気づきを深めるトレーニングにぜひ取り組んでみてください!
自分の考えや気持ちを言語化するためにはまず「人はどんなことを言葉にしているんだろう?」「どう表現しているの?」「どこまで言っていいの?」というサンプルがあると安心します。いろんな人の丁寧な気づきを知ることを通して、自分の気づきの解像度を高めていくことができます。