“ものごとの価値を
自分の愛着の度合いに応じて決める。
他人の価値
社会の価値
時代の価値ではない。”
先日ピカソの本をぱらぱらと眺めていると、こんな一節が目に入ってきました。
「価値」とはさまざまなところに存在しているけれど、固定されたものは何1つありません。例えば「美しい」とされるものの変遷やその歴史を紐解くと、その価値基準がいかに時代、社会、コミュニティ中で形作られ、変わってきているのかが分かります。また心理学を学ぶ過程で、価値にも【外的基準】によるものと【内的基準】によるものがあるのだということを知りました。
私たちは10代〜20代にかけて社会の中で【外的基準】に触れ評価される経験をします。それに大きく影響を受けると同時に、その経験を通してはじめて「自分の価値観」つまり【内的な基準】を知ることになります。摩擦やストレスの経験、感動や喜びを通して「自分の愛着の度合い」つまりは「内面から価値と感じるもの」を理解し始めます。
そこで大切なのは「どちらかを選ばないといけないわけではない」ということ。選択肢はたくさんあるということです。
自分を【外的基準】に合わせて、摩擦やストレスに「耐える」ことを選んだ経験があるかもしれません。【内的基準】に振り切って「これがやりたかったんだ!これが自由だ!」と感じる経験をしたかった人もいるかもしれません。ただいつも物事は二者択一ではなくて、【外的基準】と【内的基準】のいいとこどりをして、自分に合ったグラデーションをつくっていくという方法もあります。社会の価値観を知った上で自分の価値観に自覚的になり、それらの調和を図る道を模索することも可能です。
私は20代前半では、自分を【外的基準】に合わせるための努力をしていたなぁと思います。20代半ばで、一旦「【外的基準】を完全にシャットアウトするという」選択もしてみました。30代に入って「どうやってミックスしていくと、心地がいいかな?調和できるかな?」と探求し始めました。
人生において、物事の価値を決めるのは「自分自身」。その基準をすべて外部に任せてしまうのではなく、自分基準だけを頑なに守るでもなく、面白おかしくミックスさせて自分だけのハーモニーを奏で続ける。そうやって「いろいろミックスさせながら自分の聴きたい音楽を、自分で決めていく」ことこそが「人生の価値基準を、自ら定めていくこと」だと思っています。そしてそれこそが、自分らしい人生づくりそのものだと言うことが分かってきました。
自分が愛着を持って大切にしていものはなんですか??