〈正しい/間違っている〉という視点で物事をジャッジしていませんか?
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Toggle「正しさ」とは正しいと信じるその人の考え=信念
仕事や生活の中で「これが正しい!」「あのやり方は間違っている」と感じることってありませんか?
その〈正しさ〉ってどこから来ているんでしょう?そんなの常識だから?理由を聞くまでもなく”当たり前”でしょ?どんな答えが咄嗟に出てきたでしょうか?
実は、私たちが信じている正しさは自分がこれまで経験してきた環境や人々から学んだ〈個人的な信念〉に過ぎないことが多いんです。時代や文化、場所が変われば、正しさも大きく異なります。
正しさとは、私たちそれぞれの価値観や信念に基づくものであり、それを絶対的なものとして捉えることは、自分自身を縛り付けてしまうことに繋がるかもしれません。
だからこそ、自分の中にある「これが正しい」という感覚に気づいた時それを少し緩めてみることが大切です。
他の人の正しさを受け入れる余白を作ることでもっと柔軟に生きることができ、結果として自分らしい生き方ができるようになります。
「正しさ」はどこから来るのか?
- 「これが正しいに決まってる!」
- 「あれっておかしいよね。」
- 「あのやり方は、絶対に間違っている。」
そんな言葉を聞くと、私は心がきゅっ…となると同時に「おぉ〜!来た!変化の入り口」とひとりワクワクしてしまいます。
現代はいろんな意見があり、いろんな表現方法があり、いろんな生き方・在り方があることを肯定しようという流れになってきていますね。
それはつまり〈正しさ〉が個々人のものであるということを社会がよりフラットに受け入れはじめようとしていることなのかな〜と私は捉えています。
〈正しさ〉の判断基準は
- 親に教わったもの
- 学校で教わったのもの
- 社会人になって教わったもの
- 育つ環境やコミュニティから教わったもの
- 情報から学んだことetc…
私たちはこれまでの過程で色々なことを教わり、学び、覚えてきました。
これまで触れ合った人や情報から「何が正しい/間違っている」という考え方をインストールしてきた〈だけ〉とも言えます。
そしてそれらはすべて
- 個人の考え方
- 正しいと信じている自分の考え
であって普遍的な真実では…ないんです。
だから唯一の正解も正しさもない。
そしてその正しさもどんどんアップデートして行っちゃってOK!ということなんです。
学んだ「正しさ」を問い直すとき
「何が本当に正しいんだろう?変わらない普遍的なものって何だろう?」私は以前からそんな疑問を持っていました。なぜなら私自身の中に「これが正しい」「こうでなければならない」という固定観念を感じるたびに、それを息苦しく感じたんです。そこで「自分が思っている〈正しさ〉って本当?」「"こうでなければいけない"って本当?」 という問いが生まれました。
その後、心理学を学ぶ中で〈正しさ〉は人の信念の一部であり、人の数だけあるということに気がつきました。
また歴史や異文化を知ることで〈正しさ〉は時代や環境、国やコミュニティによって大きく異なるもので、普遍的なものはないと実感しました。
現代では、同じ場所や時代に生きていても、思考やつながりによって〈正しさ〉が異なることが増え、これからもその傾向はさらに加速すると思います。
「じゃぁ結局、普遍的なものって何なんだろう??」と考えたとき、私が納得したのは
- 自然の流れやリズム
- 宇宙の存在
でした。人間という枠より大きな視点で考えてみたときにはじめて〈絶対〉とか〈正しい/間違っている〉という概念自体がないということが”すとん”と腑に落ちたんです。
「あぁ、私が正しいと思っていたことは自分の判断基準であり、これまでの経験から作られたものでしかなかったんだ。自分の正しさにこだわればこだわるほど、自然の流れに抵抗することになるんだな〜」と理解することができました。
それから自分の〈正しさ〉を主張したくなった時には「お!」と自覚的になるようになりました。同時に他人から〈正しさ〉の圧を感じた時は「その人は、これを正しいと信じているんだな。大切なんだな。」と受け止め「自己紹介をしてくれているのね!OK!Thank you!」と受け止めるようにしています。
セッションでも 人から〈正しさハラスメント〉(と私が命名しているだけですが^^)の相談をもらうことがあります。
そんな時は「正しさの主張は、相手の信念を示してくれているだけ〜」と脳内で翻訳してみることを提案しています。それはただの信念であり、それ以上でも以下でもないのです。
柔軟な心が自分らしさを引き出す鍵
「これが正しい!」「あれはおかしい」「あのやり方は間違っている」そんな言葉を聞くと、心がぎゅっと締めつけられる。
そんな時に私は「あぁ〜そんなに自分自身を縛りつけないで〜。ゆるめてあげて〜!リラックス〜自分にやさしくしてあげて〜…」と思うから。
他者に向けて発している言葉のように見えますが、自分の言葉を誰よりも多く聞くのは自分自身です。意識的に他者に伝えている言葉でも、潜在意識下でその影響を最も受けるのは自分です。どんな内容もすべて「自分に」向けて発していることと一緒です。
私たちは「自分の信念が絶対的で普遍的だ」と思い込んでいることに気づかないまま、その信念が自分自身を縛っていることがよくあります。そしてその思い込みが問題を引き起こします。ただその問題どこから来ているのかに本人は気づいていません。なぜなら「自分の信念(正しさ)は正しい」と信じているから。笑
また〈正しい/間違っている〉というジャッジの思考癖を持っていることとは、「自分は間違っていないか?」という問いを投げかけ続けることと同じです。常に自分で自分をジャッジし続けているのです。物事はいつも表裏一体です。
心の余白を生む「信念」をアップデートする方法
これまでもいろんな方の〈正しさブロック〉をゆるめ、外すお手伝いをしてきました。
セッションではそのような場面に出会うと「変化の入り口発見!もう問題はほぼ解決したと同じだな〜。この方はもう次のステップへ進むんだな!やっほ〜い!」と私はワクワクしてしまいます。
正しさブロックをゆるめ、より自分らしくいるためにできること。それは日々の中で
- 自分の正しさを主張したいと思った時
- 誰かに対して「間違っている!」と怒りを感じた時
「私は○○が正しいと信じている」と心の中でつぶやき直す
そこにあなたの〈正しさ〉ジャッジメントがあることを教えてくれます。それに積極的に気づくことを決めること。そして気づいたら、つぶやき直してゆるめるを実践していくこと。
「自分は今これが正しいと思っている」という姿勢と「これが絶対に正しい」という態度は大きく異なります。前者には、他者や自分が変わる可能性を認める余白があり、それが柔軟な思考を可能にします。
思考に余白が生まれると、新しい視点や情報を取り入れるスペースが生まれ、自然の流れに乗りやすくなります。私はそれが、究極的に「自分らしくある」ことと同義だと考えています。
私自身、自分の〈正しさ〉ジャッジメントを見つけた時には「お宝発見!」のような気持ちになります。「小ちゃくなってキツかった洋服を着ていたことに気づいた!」そんな感覚です。それに気づいたら、あとは脱ぐだけ。脱いで伸び伸びと自然な流れに乗っていく。その繰り返しです。
「私は○○が正しいと信じている」と心の中でつぶやき直すこと。それだけですぐに、心の余白が生まれて、思考がゆるみます。その余白に心地いい自然の流れを、流し込んであげてくださいね〜!
*【信念】についてより詳しく知りたい場合には、こちらも併せてご覧ください。