
こんにちは!Ainessのえりです。
プレッシャーを感じたこと、誰しもあるのではないでしょうか。今回は仕事におけるプレッシャーとの付き合い方、について。
先日こんなご相談をいただきました。それは「仕事においてうまくできないことが重なった時に、人からの言動がプレッシャーになるということがあります。このパターンを変えたいです。」その原因について「大人になっても他人のことがプレッシャーに感じるというのは自分自身がどこか受け身だからなのかもしれないし、それがよくないことなんだろうなと思っています。」と。
私自身もプレッシャーとの付き合い方に苦労した時期があったので「わかるな〜」と心の中でうなづくばかりでした。
プレッシャーについての解決策って大きく2つあって
- ”そもそも”の、プレッシャーの捉え方をシフトさせる
- プレッシャーを溜め込まないように気分転換する
と分けることができます。
1.の方は「プレッシャーとはそもそも何か?」という前提について見直しをして、その出来事との〈付き合い方〉を変える方法。
2.の方はスポーツをする、お酒を飲む、ドライブにいく…など悩みとは関係ない行動をすることで気分転換に繋げるもの。
両方使うのがベスト!ですが、今回は根本解決に繋がりやすい〈1.”そもそも”の、プレッシャーの捉え方をシフトさせる〉方法についてご紹介していきたいと思います
プレッシャーは、克服するのではなくて流すもの
私は20代に2つの会社に勤めていました。最初の住宅営業の時はストレスやプレッシャーから急性胃腸炎になったり、2つ目の会社では、人生で初めて眠れなくなる経験をして、あの時は本当に焦りました。
私自身これまでプレッシャーを感じて体調を壊したり、悩みながら試行錯誤した時期があって「どうやったらプレッシャーを克服できるのかな?」「どうやったらプレッシャーを感じずに楽しく仕事できるのかな?」そう考えずにはいられませんでした。
そんな経験のあと…マイナスを0に持っていくための努力じゃなくて「あるものを伸ばしていくことを重ねて、私らしい人生にしたい」そう決めてから、それまでの捉え方の見直し、物事との向き合い方のアップデートの1つに〈プレッシャーとの付き合い方〉がありました。
そして理解したのはプレッシャーは克服するものでも、乗り越えるものではなく〈自分の未来に活かすために使うもの〉なんだ、ということでした。
プレッシャーに対して、ついついファイティングポーズを取りがちですがその力を戦うためではなくて自分の未来に使うことができたら…どんなにいいだろうと思いませんか?

プレッシャーに押し潰される理由
プレッシャーとは
そもそも、プレッシャーって英語で「圧力」とか「精神的圧迫」という意味です。「プレッシャーを感じる」と使うように、相手からの強い力を感じる、コントロールを感じる時に使われます。
こんな前提持っていませんか?
プレッシャーは悪だ。
プレッシャーを感じるのは弱いからだ。
そう思っていませんか?
相談を受ける時によく聞くのは
「プレッシャーを感じるのはよくない。」
「プレッシャーに影響されるなんて、なんて自分は弱いんだろう。」
「弱い自分を変えたい。だから克服したい。」
これらの言葉の前提にあるのは
「プレッシャーは悪」
「プレッシャーに影響されるのは弱い人間である。」
「強い人たちはそういうことに打ち勝っている(ように見える)」
「生き生きしている人たちはプレッシャーなんて跳ね除けている(に違いない)」
という誤解です。
この前提があると、
プレッシャーを感じること=よくないこと。
プレッシャーを感じる自分=弱い人間だ。
という間違った脳内方程式ができあがります。
この脳内方程式を持っている限り、いつもこの法則を使って物事を捉え続けることになります。
間違った前提はネガティブループを生む
間違った脳内方程式が前提にあると、その後に何を入れてもネガティブループに入っていってしまいます。

弱い自分はダメだ。
↓
強くならなきゃいけない。
↓
このプレッシャーを克服しなければいけない。
↓
でも全然うまくできない。
↓
できないことばかり目について「なんでできないんだ。」「なんて自分は弱いんだ」とさらに自分を責めてしまい、〈自分は弱い〉〈自分はダメだ〉という最初の間違った方程式の法則を強化していきます。どんどんネガティブループに入り込んで行ってしまいます。プレッシャーを感じた自分を責めたり、プレッシャーを感じる状況や相手にファイティングポーズを取って戦い続けようとするのはこのループがあるからです。
もしもそれで今回の状況に戦う力で打ち勝つことができたとしても、これからの長い人生で私たちはそういう場面に遭遇することはこれからもあるはずです。その度に自分自身を責め、無理をしてでも克服するということを繰り返していくことになります。このやり方を、これからも続けていきたいですか?

すべては使いよう
プレッシャーの2つの側面
プレッシャーを「圧力」っていう視点で考え直してみると、圧力があることで変化が加速するというポジティブな側面と、圧力が強すぎたり、力が加わる場所が適切ではなく力を抑制してしまうというネガティブな側面と2つがあります。
本来私たちは新しい力が加わり、刺激を受けることで変化していくもの。圧力がかかること自体は決して悪いことじゃないですよね。
トマトって、水を少なくしてあえて厳しい条件のもとで育てると、甘さが増して、おいしくなるということを聞きました。私たちも、外からの刺激を多く経験することで成熟していきます。
ただ状況、関係性、タイミングなどさまざまな要素が絡み合ってポジティブに作用する時、ネガティブに作用する時、があります。同じことを言われてもまったく気にならない時もあれば「ちょっとしたこと」と頭ではわかっているのに深くプレッシャーを感じていたりすることもありますよね。
ポジティブに受け取れる時、それは期待や応援になるし、圧力があるからこそ「やってやるぞ〜!」って頑張れたという経験もあるのではないでしょうか。これはプレッシャーがガソリンの役目になってくれているケース。
逆に、プレッシャーがネガティブな方に作用してしまうと、不安や焦りが生じてストレスになったり、パフォーマンス低下の要因に直結します。プレッシャーが自分自身を閉じ込める「檻」にもなってしまいますよね。
真実はひとつ
プレッシャーで苦しんでいる時、その力はネガティブに作用しています。
その時、自分にとっての真実ってただひとつ。それは「外からの圧力(刺激)を、自分をネガティブな状態にしてしまうほどに、息苦しく感じている」ということ。
そう感じることは素直な自分の感覚。それをキャッチできていることに、まずはそのままOKを出してあげてください。
プレッシャーは誰でも感じるもの
そもそもプレッシャーって誰でもさまざまな状況で感じる、ストレスの一種。プレッシャーを感じる出来事があった、ということだけです。
それを感じるのは「受け身だから」とか例えば「まだ仕事ができないから」と自分自身の至らなさや、問題かもしれないと不安に思っていることに紐付けてしまいがちです。〈今起こっている出来事/状況〉と〈もともと不安に思っていること〉を紐付けて、原因づけしてしまうということが、すべてのネガティブループに陥る一番深い、根源的な原因です。

プレッシャーとの付き合い方
ループをナチュラルに戻していこう
今起こっていることは、これまでの経緯やさまざまなピースがあって起こっています。もちろん自分が不安に感じている要因も含まれているかもしれません。ただ、今目の前に起こっている現実はこれまでの何千、何万という人生の中で集めてきたカケラたちの総結晶です。今考えうる原因だけであるはずがないんです。
だから安心してください。能力や、性格、自分自身の価値と、プレッシャーを感じていることはなんの関係もありません。ある状況で「受け身」になっている行動パターンと、プレッシャーを感じることは別の話だし「仕事が思うようにできない」と自己評価することと、プレッシャーを感じることも別の話です。
「自分がこうだから」とか「今こういう状況だから…」など私たちはついつい「自分の至らないと思っている点」を理由として決めつけてしまうことがありますよね。ここで一番シェアしたいことは「もう自分を責めなくていいよ!」ということ。1つ1つを分解して捉え、それぞれを解決するために、小さな行動をしていけば大丈夫だから!

プレッシャーを未来に流す3つの質問
大切なのは受けた力を自分の未来に〈使う〉こと。
受けた力を自分自身への攻撃として向けるのでもなく、感じた「圧力」を相手や出来事に押し返そうとするのではなく、自分の未来へ、これまでとはまったくの別方向へ流すようなイメージです。
「具体的にどうやって未来へ流していくの?」
プレッシャーの捉え方シフトのために3つの質問をしてみてください。
- 何に対して
- どう感じたの?
どうすることでその〈捉え方が変えられそう〉?もしくは、どうしたら今後このプレッシャーを〈避けることができそう〉?
この3つです。

実際のQ&A
1.何に対して?
上司に「なんでこれできてないの?」と言われたことに対して
2.どう感じた?
「なんでできないんだろう…」と考え始めたら自信がなくなって不安に感じた。
これまでだったらこの後「自分が受け身だからいけないんだな」と考えてさらにプレッシャーを感じていたかもしれません。だけど、一旦それは置いておいて…
3.どうしたら今後このやりとりを避けることができるかな?
言われる前に状況を報告するようにしたら、少しは軽減するかも。
こんな感じです。ちょっとでいいので何か具体的に行動を変えてみる選択肢をリストアップしてみるのです。
ポイント
- 最初はすぐにスラスラ答えが出てこなくても大丈夫。
この質問はきっとこれまでの思考回路と違う道筋に、質問という光を当てようとしています。初めてのことは誰でも最初よくわからないもの。だから答えがすぐに出てこなくても気にしないでください。答えが出てこなくても、ふと思い出した時にこの1〜3の質問を投げかけ続けてください。 - 書き出すこと
初めてのことをやるときには「見える」ようにしておくことがオススメです。それでなくても脳内のことは見ることができません。そのため質問の答えを書き出すことで客観的視点を得ることにも繋がります。 - 1つの場所に書き記しておくこと
決めたノートや、携帯メモ、メモアプリなど一番よく使う「場所」に、1ヶ所に集約して書き記しておくことで後で簡単に振り返りができたり、自分の思考パターン、行動のくせを理解する最強の道具となってくれます。また記録があることで初めて自分の変化を客観的に気がつくことができる最高の応援者にもなってくれます。

まとめ
プレッシャーとは戦うのではなくて受けた力を自分の未来に流し、使うことというお話をしてきました。
プレッシャーを未来に活かすための質問として
- 何に対して
- どう感じたのか?
どうすることでその〈捉え方が変えられそう〉か?もしくは、どうしたら今後このプレッシャーを〈避けることができそう〉か?
という3つをご紹介してきました。
「これやったら相手がプレッシャー感じるよね」と誰もがわかるようなこともありますが、人の感受性は十人十色。何がプレッシャーの原因になるのか?またどこまではポジティブに受け取れて、どこからはネガティブに感じるか?の境界線は自分で見極めるしかありません。
嫌なことが起こったとき、それをそのまま“嫌なこと”で終わらしてしまうのって本当にもったいない!不快感の無駄遣い!なので「嫌なことがあったけど、もうそれは絶対に起こさない!」くらいの気持ちで「何が嫌だったのか?」「それが起こらないために何ができるか?」を考える。
地味ですけどね。でも心地い毎日を送るって「スキ」を集めることでもありますが、それと同じだけ不快を感じる出来事を1つ1つ明確にして、日常から退けていくっていうことの積み重ねでしかありません。
今回紹介させてもらった3つの質問を繰り返しやっていくと「嫌な出来事こそ、もう二度とは起こさないぞ~」って気概で「同じ出来事をどうやったらポジティブに使えるか?」とか「もう絶対に起こさないためにどう対処するか?」の選択肢が少しずつでも出せるようになってくると思います。何が起こってもささっとマイトリセツを開いて、サクッと捉え方シフトさせて、軽やかに対処していけたら心強いですよね。
ぜひ試してみてください。